「エリプス(Ellipse)」展 @トーキョーワンダーサイト本郷

トーキョーワンダーサイト(TWS)は、東京から新しい芸術文化を創造・発信するアートセンターです。東京から若い才能が世界を舞台に開花することを願い、公募展や海外派遣など様々な形の段階的かつ継続的な育成プログラムを展開しています。
今回、ベルギーの若手アーティスト6名で構成する「2112」の企画公募作品「エリプス(Ellipse)」が展示されます。

「エリプス(Ellipse)」というタイトルには、ふたつの意味が込められており、ひとつは楕円状の形、もうひとつは文章中の要素やフレーズをその文脈から省略するという文法用語である。
2112のメンバーは、方法や外観の異なる様々な作品を個々に展開しながら、写真という媒体の可能性や境界線への自由な切り口を共有している。
イメージが示すものが、2112のアプローチにおける出発点となっており、結果として「言語としての写真」という強い関心に辿り着く。常に能動的な動詞の形に終着するのがこの言語の特徴であり、Ellipseは、まさにこの「文脈を省略する」という動詞に注目する。象徴的かつ文字通りな意味での「フレーミング」とも言えるだろう。
Ellipseは、日々膨張する一方で、誰も実際に「話す」ことのできないイメージ言語を対象化する。結合・破壊・構築・形成のために行われる文脈の省略によって、まさにイメージ言語そのものが生み出されるのだ。展示作品は、必然的に写真を内省する内容となっている。例えば、写真誕生の過程、ある写真が提示された瞬間、写真家という存在、現代の写真が居留する世界、写真をつくるマシーンに対してなど。そしてどの作品も弧を描いて、何らかの形で始まりの点に帰還するのである。

会 期:2015年2月28日(土) ~ 3月29日(日) 11:00 – 19:00
会 場:トーキョーワンダーサイト本郷
入場料:無料

2112
ベルギーを拠点とした六名の若いアーティストたちによるコラボレーション。「言語としての写真・イメージ」についての関心を共有する。
主な展示に、「Canvascollectie」(Bozar, ブリュッセル、ベルギー、2012)、「ブレダ国際写真フェスティバル」(ブレダ、オランダ、2012、2014)、「.tiff アントワープ写真美術館」(アントワープ、ベルギー、2013、2014)、「ロッテルダム国際映画祭」(ロッテルダム、オランダ、2015)などがある。
2112アーティスト:トム・カレメン、イルス・カルボネ、イフ・ケルコフス、
リアム・シンゲレイン、リサ・スピリアールト、ラフ・ヴァンデヴェン