ポール・デルヴォーとベルギー近代絵画

20世紀のシュルレアリスム(超現実主義)絵画を代表する画家、ポール・デルヴォー(Paul Delvaux)。彼が手がけたベルギー・サベナ航空社長ジルベール・ペリエ邸客間の室内装飾は、長い衣をまとった古代ギリシャの人々と夜会服姿の現代の人々、古代ギリシャの神殿と現実の建築が交錯する幻想的な空間となっており、デルヴォーの本領がいかんなく発揮されています。
このペリエ邸が人手に渡った時、4点の扉絵が海を越えて日本にやってきました。《立てる女》《女神》《乙女たちの行進》の3点は姫路市立美術館に収蔵され、《二人の女》はヤマザキマザック美術館に収蔵されています。

フェルナン・クノップフ《ヴェネツィアの思い出》1901年頃 姫路市立美術館蔵

今回これら4点の扉絵が初めて再会を果たすことになりました。ポール・デルヴォー財団の特別な協力により、室内装飾の下絵4点や当時の客間内部の写真も同時に展示し、ペリエ邸装飾画の魅力に迫ります。
また、姫路市立美術館の全面協力により、その充実したベルギー近現代美術コレクションの中から、デルヴォーの油彩画、水彩画、版画など20点をはじめ、フェルナン・クノップフ、ジェームズ・アンソール、ルネ・マグリットらの作品23点も合わせて展示。
神秘的な世紀末美術から20世紀のシュルレアリスムにいたるまで、多彩な絵画世界を堪能できます。

フェルナン・クノップフ《ブリュージュにて 聖ヨハネ施療院》1904年頃 姫路市立美術館蔵

姫路市立美術館の学芸員、山田真規子氏による講演会「近代ベルギー美術:シュルレアリスムへの道」など、関連イベントも行われます。

会期:2014年6月14日(土) ~ 9月23日(火・祝)
会場:ヤマザキマザック美術館 (名古屋市)