ベルギーを代表する現代美術作家ミヒャエル・ボレマンス (Michaël Borremans) の「アドバンテージ」展 (The Advantage) が東京・品川区の原美術館にて開催されます。本展は、日本の美術館における初の個展となります。
ベルギーのゲントを拠点に活動するボレマンスは、30代に入った1990年代半ば、それまでの写真による表現から絵画へと転向し、急速に評価の高まった作家です。ディエゴ ベラスケスやエドワール マネなど近世・近代絵画の描写に倣い、自国のシュルレアリスムの遺伝子も受け継ぐと評されるボレマンス。彼の絵画には、静けさの中に微かに謎めいた気配が漂い、観る者を深い思索へと誘います。時間的・空間的に現実から隔離され、自身の儀式や作業にただただ勤しむ人々を通し、複雑で不透明な現代社会に生きる人間を、人間の宿命のようなものをボレマンスは描き出します。
ボレマンスは、作品と厳しく向き合うため、制作数に比して、自身が完成作と認め世に出す作品数が圧倒的に少ないことが知られています。本展は、そのような作家が自身で選んだ作品30点余りを展示する稀有な機会となります。また、近年制作を始めた映像作品も紹介する予定です。
ミヒャエル・ボレマンス (Michaël Borremans)
1963年、東フランダース州ヘラールツベルヘン生まれ。現在、ゲント在住。
90年代半ばに写真による表現から油彩へと転向。以来、急速に評価が高まり、国内外の先鋭的な美術館やアートスペースで個展を開催するほか、2005年にはベルリン ビエンナーレに出品するなど国際展にも参加している。近年は、絵画と連動する映像も手掛け、さらに謎めいた世界を創り上げている。2010年夏にベルギー王妃の依頼を受け、王宮に展示するための作品を制作し、一般公開された。日本では、2008年にギャラリー小柳にて個展「Earthlight Room」を開催、2011年には横浜トリエンナーレに出品したほか、国立国際美術館に絵画2点が収蔵されている。2014年2月22日(土)から8月3日(日)までブリュッセルのパレ・デ・ボザールにて個展を開催予定。
会期:2014年1月11日(土) ~ 3月30日(日)
会場:原美術館 (東京都品川区)
関連イベントも行われます。
詳細につきましては、原美術館のホームページをご覧ください。
このほか、2014年1月11日(土)から3月1日(土)まで、ギャラリー小柳にて「ミヒャエル・ボレマンス展」が開催されます。