姫路市立美術館が今年30周年を迎えるのを記念して開催された「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展が、東京に続いて石川県へと巡回します。
隣国フランスから点描で描くシニャックらの新印象主義の影響を受けたベルギーの印象派は独自の発展を遂げました。本展では、その立役者である画家エミール・クラウスの作品を中心に、彼のもとに集まったベルギーの印象派の画家たち、その源となったフランスの印象派、そしてクラウスに学んだ日本人画家と日本の印象派の作品など合わせて約65点を展示します。また、金沢市と姉妹友好提携を結ぶゲント市の美術館からも名作が来日。
エミール・クラウス「野の少女たち」 |
ベルギー近代美術史を考えるうえでも、印象主義の国際的な伝播という観点からでも、クラウスは非常に重要な画家であります。また、当時ベルギーに留学中だった太田喜二郎と児島虎次郎は直接クラウスの指導を受け、日本の美術界に影響を及ぼしたという点でも大きな意味を持つ画家です。
しかし、これまでクラウスをテーマにした展覧会が日本で開かれたことはなく、本展は貴重な存在です。印象派に興味がある方のみならず、ベルギー絵画に興味がある方にも、ぜひ足を運んでいただければと思います。
会期:2013年7月26日(金) ~ 8月25日(日)
会場:石川県立美術館