絵本作家展:ガブリエル・バンサンとベルギー現代絵本作家達

ベルギーは多彩な言語と古い歴史の中で、独特の絵本文化を育んできました。国民的作家ガブリエル・バンサンを回顧するほか、活躍中の絵本作家13人の原画を、ベルギーの子どもの本の移り変わりとともに紹介します。
20世紀初頭、人気漫画シリーズ「タンタン」や「スマーフ」を生み出したベルギー。絵本の世界でも、2000年に惜しまれつつもこの世を去ったガブリエル・バンサンをはじめ、21世紀に入ってからの躍進がめざましいイングリッド・ゴドン、ヒド・ファン・ヘネヒテン、カンタン・グレバン、若手アーティストのカルル・クヌートやキティ・クローザーなどによるユニークな作品が次々と出版されています。テーマやテクニックの面でも新しい地平を切り開いてきたベルギーの絵本はヨーロッパはもちろんアジア各国でも読まれており、BIB世界絵本原画展やボローニャ国際絵本原画展でも評価が高まるばかりです。
このような背景のなか実施する「ベルギー絵本作家展」は、日本で初めて本格的にベルギーの子どもの本の世界を紹介する展覧会です。
本展は三部構成になっており、まず第一部では、メーテルリンクの「青い鳥」、ベルギー絵本の源流とも言える「タンタン」や「スマーフ」などを中心にご紹介します。
続いて第二部では、「くっきりとした線と鮮明な色使い」が特徴的なゲルマン系(北部オランダ語圏)と、「やわらかな線と色彩」が魅力的なラテン系(南部フランス語圏)とに分けて、現在活躍中の作家をご紹介します。
そして第三部では、日本でも絶大な人気を誇るガブリエル・バンサンを回顧する内容です。
ぜひこの機会に、ベルギー絵本の魅力をお楽しみ下さい。

掲載作品
ヒド・ファン・ヘネヒテン
「シロクマくんの ひみつ」
2003年/カラーインク
©Guido van Genechten

2010年11月1日 – 2011年1月19日
場所 北海道立帯広美術館