「コレクションでたどる姫路市立美術館の25年写実と幻想」展

19〜20世紀のフランドル美術を代表する作品を姫路市立美術館にて公開。3月20日には当センター館長によるレクチャーを開催します。
姫路市立美術館は、今年度で開館25周年を迎え、これを記念して3回のシリーズでコレクションを紹介しています。
かつてフランドル絵画として隆盛を誇り、数多くの巨匠たちを生み出したベルギーの美術界は、19世紀後半から再び優れた画家を輩出します。この時代を彩るのは、当時の社会の現実を描き出した写実主義の画家たちや、彼らとは逆に想像力の世界を描いた象徴主義の画家たちなどです。一見相反するように見える両傾向を描いた画家もおり、表面的な違いとは別に、共通性も持っています。20世紀に起こったベルギー表現主義は、この2つの傾向を受け継いでいます。また、デルヴォーやマグリットの作品で有名なシュルレアリスムは、現実とは何かをつきつめていった結果、幻想的な表現に行きつきました。ベルギーの近代美術は、様々な意味で写実と幻想の間を行くものだったと言えるでしょう。

この展覧会は、姫路市立美術館のコレクションで、19世紀から20世紀のベルギー美術の流れを振り返るものです。

講演会「19〜20世紀におけるフランダースの歴史と美術」
日時 3月20日(金・祝) 午後2時(開場は午後1時30分)
講師 ベルナルド・カトリッセ(フランダースセンター館長)
場所 美術館2階講堂
参加方法 当日先着100名、入場無料

画像:クラウス「フランドル地方の収穫」(1904年頃 油彩・布)

2009年3月14日 – 2009年4月15日
場所 姫路市立美術館 企画展示室