4月12日アントワープ・ファッションのレクチャーを開催

アントワープといえば、まずファッションを 思い浮かべる人が少なくないでしょう。この都市の中心街には、モードナシー(ModeNatie)があります。アントワープ州立モード美術館、フランダー ス・ファッション・インスティテュート(FFI)、そして多くの優れたデザイナーを輩出しているアントワープ王立美術アカデミーファッション科がこの建物 の中にあり、後に「アントワープ6」と呼ばれるデザイナーたちが、このアカデミーの卒業生として名前を連ねています。ディルク・ビッケンベルヒス、アン・ ドゥムールメースター、ワルター・ヴァン・ベイレンドンク、ドリス・ヴァン・ノッテン、ディルク・ヴァン・サーヌ、マリナ・イェーの6人のデザイナーがこ の名前の由来ですが、マルタン・マルジェラも、この「アントワープ6」とともに知られています。
一 般に知られていませんが、1984年には大阪のロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル)で「ベルギー・デザイナーズ・ファッションショー」というタイト ルで、この7人が作品を発表しています。これは、ベルギーのデザイナーを日本に紹介するファッションショーで、長い伝統を誇るベルギーのテキスタイル産業 の振興と若手デザイナーの育成を図るために、当時存在したベルギー・テキスタイルアパレル協会(ITCB)が中心となり開催されました。その斬新なデザイ ンで1980年代のファッション界に新風を吹き込んでいた彼らの作品を、日本に初めて紹介した例として記録されています。
そ の後、アントワープ・ファッションを日本で紹介するイベントとして当センターが関わったものには、アントワープ王立美術アカデミーで教鞭をとり、 アントワープ・ファッションを世界に紹介した人物として知られるリンダ・ロッパによるレクチャー(神戸ファッション美術館、1997年)、ベルギーの ファッション・ジャーナリスト、ヴェールレ・ウィンデルスが「アントワープ6」のデザイナーたちがどのようにして世界の市場で成功するに至ったかを紹介す るレクチャー(フランダースセンター、2006年)などがありますが、アントワープ・ファッションを大々的に紹介する展覧会はこれまで日本にはなく、この 春、東京オペラシティアートギャラリーで開催される「6+ アントワープ・ファッション」展が日本初となります。
当センターでは、この展覧会の関連イベントとして、展覧会監修者とアントワープ州立モード美術館館長を招いてレクチャーを開催します。日本とアントワープ・ファッションの繋がりについて知ることのできる貴重な機会です。ぜひお見逃しなく。