「快適な島」ジルケ・ユイスマンス&ハネス・デレーレ シアターコモンズ’20

 

©Bea Borgers

シアターコモンズ’20 (THEATER COMMONS TOKYO’20)

資本主義の搾取の末に使い果たされた「快適な島」の未来─。
スマートフォン操作だけで上演される、新世代のドキュメンタリー演劇

(日時)

3月5日(木)19:00*終演後、ポストトーク有、司会|岩城京子(演劇パフォーマンス学研究者、アントワープ大学専任講師)
3月6日(金)19:00

(会場)

リーブラホール
〒105-0023 港区芝浦1-16-1 みなとパーク芝浦 1F

あらたなドキュメンタリー演劇の旗手として注目を集める若手アーティストユニット、ジルケ・ユイスマンスとハネス・デレーレ。舞台上で一言も発せず、彼らがiPhoneを操作するだけで浮かび上がらせるのは、太平洋の小島国家、ナウルの現実だ。かつて、リン鉱石開発で「世界でもっとも豊かな国」と言われたこの島国は、すべての天然資源が枯渇するまで掘り尽くされた末に経済破綻し、現在は多額の補償金と引き換えに、オーストラリアから難民を受け入れる収容所となっている。
生態学的、経済的、人道的に使い果たされた「快適な島」は、地球全体の遠くない未来を暗示するかのようだ。指先の操作だけで舞台上に他者・他所の悲劇を出現させてしまう非当事者の優位性・暴力性を引き受けながら、二人のアーティストは悲惨な現実以上の何を舞台に召喚するのだろうか。