イヴ・マースはベルギー アントワープを拠点に、写真作品などを制作する現代美術作家です。
今回展示する作品はマースの代表作のひとつ、写真シリーズのプロジェクトからの作品で、世界各国の国際博覧会(万博)の跡地でサイエンスフィクション映画のキャラクターを撮影したものです。
題材としている万博は、一般的に世界平和のために人類が築いてきた芸術、技術および科学の進歩を世界各国が最先端技術を駆使して提示する催しです。それは前向きで希望に満ちた未来を予想させます。一方、サイエンスフィクション映画は発達しすぎたテクノロジーや科学の進歩に対して批判的であり、時には未来を予見するかのような警告的な内容が描かれ、人間が巻き起こした悲劇が隠喩として提示されています。
イヴ・マースはこの対比をユニークな視点でユーモアを織り込み、写真作品として完成させました。私たちは、どこかで見たことのある風景、地球外生物やキャラクターを見つけ、違和感とおかしさを感じるでしょう。芸術家は時に預言者のように世の中の不条理と真理を表現しようとします。イヴ・マースもその一人といえるでしょう。
ベルギーを代表する作家のひとりであるイヴ・マースの日本初個展となります。どうぞご期待ください。
画像: Pabellon del Futuro (Exposicion Universal de Sevilla, 1992)
Duratrans on acrylic, lightbox
100 x 125 cm
2008
2010年4月3日 – 2010年4月23日
場所 void+
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