当センターでは、2010年および2011年にフランダース文学翻訳セミナーを開催しました。本セミナーは、これまでほとんど日本語に翻訳されることのなかったフランダース文学を、オランダ語から直接日本語に翻訳できるプロの翻訳家を養成することを目的とし、現役の日本人とベルギー人のプロ翻訳家を講師に招き、集中講義を行いました。
また、2010年にはトム・ラノワ氏、2011年にはアンネリース・ヴェルベーケ氏をゲストとして招聘し、受講生が作家と交流できる機会も設けました。
今回、このセミナーの成果として、受講生の翻訳による現代ベルギー小説アンソロジー「フランダースの声」を刊行しました。
ノーベル文学賞候補とまで言われていたヒューホ・クラウス(2008年没)をはじめ、多様な現代フランダース文学の魅力が伝わるようにと、個性の異なる作家5名の短編作品を収録しました。
本書は、各都道府県の図書館にて読むことができます。
また、各市町村の図書館、教育機関の付属図書館、出版・翻訳関係者、言語・文学の専門家など、ご希望の方にはお送りしますので、当センターinfo@flanders.jpまでご連絡ください。
ひとりでも多くの方に、フランダースの文学と作家の魅力を知っていただくことができれば幸いです。
収録作家
アンネリース・ヴェルベーケ (Annelies Verbeke) / 井内千紗 訳
アンネ・プロヴォースト (Anne Provoost) / 板屋嘉代子 訳
ヒューホ・クラウス (Hugo Claus) / 三田順 訳
トム・ラノワ (Tom Lanoye) / 鈴木民子 訳
クリストフ・ヴェーケマン (Christophe Vekeman) / 鈴木義孝 訳
カバー写真 ミヒール・ヘンドリックス (Michiel Hendryckx)