公益財団法人アーツフランダース・ジャパン解散のお知らせ

 

公益財団法人アーツフランダース・ジャパン(AFJ)はフランダース政府予算再配分決定を受け、2022年(令和4年)3月31日で存続期間満了とし解散いたします。

今後、財団としてアーティスト、作家、翻訳者など各分野のアーティスト支援を継続することができないことが大変残念でなりません。これまでアーティストが自立して計画実行できるよう支援活動を行い、解決策に導くことを財団の目的としてきました。ですから財団解散後もアーティストには新たな可能性があると信じています。

財団設立より46年間にわたりフランダースと日本の文化交流発展の為に有意義な役割を果たすことができ本当に幸せに感じます。草の根の活動から始まった事業活動は、日本とフランダース両国の芸術家と観客の距離を縮めることに貢献することができました。この難しくやり甲斐のある事業活動実現の為、約半世紀という長い期間にわたり財団をリエゾンオフィスとして任命してくださったフランダース政府に改めて感謝を申し上げたいと思います。

また共に活動してきた人々、日本とフランダース両国の芸術家やアンサンブル、理事、スポンサー、ヨーロッパ各国関係団体、EU外交官、ベルギー王国大使館、各フェスティバル関係者に感謝を申し上げます。これまで培った全世界のネットワークである皆様との活動は心からの喜びとなりました。

今後を見据え、また少し個人的見解になりますが、作家ギュスターヴ・フローベールの一節、“Il faut mettre son coeur dans l’art, son esprit dans le commun du monde, son corps où il se trouve bien, sa bourse dans sa poche, son espoir nulle part.”(あなたの心を芸術に向け、あなたの知力を世界に向け、心地よいと感じる所にあなたの身を置き、あなたの財布はポケットに、ただあなたの望みはどこにも置くことはできない。<意訳>)このフローベールの一節に改めて人としてのあるべき姿を見出しています。

特に一節最後の部分が印象的で、フローベールの考え方は宿命論的ではなく、私たちは望みを持ち続けなければなりませんが、行動を伴わない望みには意味がありません。それは現在の世界の悲惨な状況が証明しています。ことの大小にかかわらず、望むだけではなく、自分の出来うる限り行動する振る舞いが求められているのだと感じています。

これまでのすべてのご縁に感謝し、そしてまたの機会に皆様にお会いできることを楽しみにしています。本当にありがとうございました。

公益財団法人アーツフランダース・ジャパン 館長

ベルナルド・カトリッセ

 

ディレクター・アシスタント

西村真由美